偉人

河村瑞賢の生涯と業績 その7

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江戸時代の偉人、河村瑞賢

河村瑞賢のすごさとは。

まず、河村瑞賢の成し遂げた事業が多岐にわたるものだったことです。瑞賢は様々な事業を手掛けたことから、現代で言えば大実業家とか、プロ経営者などと言えるかもしれません。

次に、瑞賢が手掛けた事業は商売だけではなく、航路開拓や治水工事などは公共事業であったことです。西廻り航路と東回り航路の整備により、全国各地と江戸との間で大量の物資の輸送が盛んになりました。また、治水により洪水の被害から畿内を守り、さらに大阪湾への大型商船の航行を可能にしました。これらのように、瑞賢が行った事業の多くが重要なインフラ整備であり、その後の江戸時代の経済や産業の発展に大きく貢献しました。

河村瑞賢が事業を成功に導いた秘訣は。

事業を円滑に進めるための入念な調査と準備が必要であったはずです。瑞賢自身が必ずしも全ての事業について専門的な知識を持っていた訳ではなかったので、専門家の話に耳を傾け、上手く連携をとって仕事を行っていたと思われます。

瑞賢は学者を庇護していたことが伝えられており、瑞賢自身が学問に理解があり、学者を尊敬していたことがわかります。儒学者で政治家であった新井白石もその一人で、白石は自身が記した「奥羽海運記」と「畿内治河記」の中で瑞賢の功績を讃えています。

瑞賢は学者と同様に様々な専門家や技術者にも尊敬を持って接し、彼らの信用を得たのではないかと推測されます。また、多くの仕事をこなすには、優秀な部下を育て、優秀な部下に仕事を任せていたのでしょう。このあたりは現代でも通じるものがあります。

個人的には、瑞賢が労働環境について考えながら事業を進めていたことも重要であったと考えています。航路の整備においては、安全な運航ができるような規則の制定や、運航をサポートする施設を各地域に設置したことなど、随所に労働者の安全面への配慮が感じられます。事業の成功には熟練の労働者が不可欠であること、目先の利益にとらわれて利益だけを優先した事業は長くは続かないことをよくわかっていたものと思います。

もっと河村瑞賢について知りたい方へ

私の大好きな歴史作家の伊東潤先生が書かれた歴史小説「江戸を造った男」を読まれることをおススメします。伊東先生は歴史テレビ番組でコメンテーターとしてお馴染みで、優しい語り口の解説が特徴です。この小説を読んで、目頭を熱くしながら河村瑞賢の生涯を辿ってください。

参考文献

「江戸を作った男」伊東潤(朝日新聞出版)

「河村瑞賢」古田良一(吉川弘文館)

「商人を超えた日本の偉人 河村瑞賢」南伊勢町教育委員会 https://www.town.minamiise.lg.jp/section/kawamura/20180524kawamurazuiken_book.pdf

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